文藝春秋の新刊 2005・6 「キャンディーの缶」©大高郁子

チャームという名のキャンディメーカーを、googleで見つけられなかった。
チャームだもの、化粧品とかにいっちゃうんでしょ。こんなキャンディ見たことあるような気もするし、実はどこかヨーロッパの空港でしか売っていないものかもしれない。
サクマ式ドロップスなど、いまでも病院の売店なんぞではオーバルの缶で売られていてすごく頼もしげだけど、わたしの懐かしドロップスといえば、大して好きではなかったが甘露飴。
けっこう大きな蜜色の飴で、何かの拍子に大きいまま飲み込んでしまい“餅が詰まった老人”的な苦痛を幼児ながら味わいました。キャンディ1個1個、個包装ではなく、でもそのかわりオブラートが巻いてあったような…違ったかなあ。
イラスト、缶の紺色がバックに広がり、そうか、こうして遠近感をつけるんだなあと初老にして画の技法のいくつかを知ったりする。あと、影とかね。そしてもちろん「遠近感の付きすぎ」にご注意みたいに、肝心のドロップスは平面に描かれていてそれが缶の高さ広さを視覚に訴えるのだね…って、そんなこといまさら感心してどうする。
バックの青なんて、もうそのまま青空なんか通り越し、宇宙にまで通じているんですよね、ねっ…ってば。