文藝春秋の新刊 2006・1 子犬の土鈴©大高郁子

干支にちなんだ1月号という趣旨ではありません。いや、05年の1月は攻撃的な姿の雄鶏だったけどそれ以前には、干支をモティーフにはしていません(のはずだが)。
今年の新刊をまだ手にとってないので、イノシシが描かれているかどうか(ボンレスハムだったりして)はまだ不明です。

耳や両手足、末端の部分に朱が浮き出ていて縁起ものの土鈴が本物めいて、でもちょっと如何わしくもみえて嬉しい。でも子犬の顔は写実かなあ。正面から向き合うと聡明かつやんちゃでいたずら好きそうな目元口元だから、すこしたじろぐ。笑みに似た子犬が結ぶ朱のくちびるのほころびに、何かよからぬ企みが隠されてはないかと一歩引きそうになるわたしは稀代の臆病者ですね。
紫は高貴な色。安らかで派手さやインパクトとは無縁。周囲の彩度を利して落ち着く癒し関係でしょう。風呂敷や和風小物なんかだと、こんな薄葡萄色が定番。とはいえ、わたしには無縁の色かなというのはさびしいけれど。