文藝春秋の新刊 2003・4 「春の海」©大高郁子

今頃気付いても遅いのですが、大高コレクション、1月から各月ごとに紹介する形で1年間かけるということにすればよかったかな。
じつは最初の魂胆では100数葉のリーフレット、昨年12月から100数日で紹介し終えることにしようと、ハハハ、いま思えば無謀ですが。十年を100日で振り返るなんて、それはまあすてきな企画かと。
各月、季節をあしらった10葉ほどのイラストを並べたほうが風情が出たし作者の魅力がつたわったのでは。暖かい季節にスノードームや、今月のような春霞の風景じゃ、風情や情緒を感じられないような気がする。

集英社文庫NEWS 集英社文庫「ナツイチ」

WEBが充実している集英社ですね。そうだ、他社の文庫ホームページも並べてみてあれこれ月旦してみるのもいいことだ…って、それってもっと早くに気付く必要があったのでは。

http://bunko.shueisha.co.jp/
http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/book/index.html

「ナツイチ」のほう、ヒッチハイクする美少女ウサギが出演する「超短編映画」(いいですね)もあるし、書店用POPなんぞも公開していてすごい。
昨日書店で現物を見てきたけれど、「こころ」「友情・初恋」「銀河鉄道の夜」の3冊が、夏だけの限定カバーだそうで、蒼井優のファンともなれば読みたくなくてもそれら3冊も買わないわけにはいかず、いやはや敵もぼろい商売するんじゃないか。まあもちろん牛に引かれて善光寺というか、アイドル命のにきび面もこうやって古典を手にするという図は悪くない(「痴人の愛」という手もあったか)。


キャンペーンガールである蒼井優の公式ホームページは以下に。画像が充実してるみたいですね。

http://www.itoh-c.com/aoi/

期間限定カバーか。他の出版社も真似しそうだ。
アイドルファンやオタク以外にはどうでもいい企画だし、現実に欲しいGoodsが手に入るし上記のごとくで教養も身につくのだから、岩波の漱石全集などより罪が軽いように思う。

集英社文庫NEWS。第4号をこうして手にしてみて、文庫出版編集者たちの頑張りが分かり、いとおしさがこみ上げてくるのだけれど、先月に続いて苦言を呈せば「どこの書店でも手に入るものではない」という現実を、出版関係者が本当に分かっているかだね。
わたしが見るかぎり書店のほうでは、あまり力を入れているように見えない。28日の新刊発売日、新潟市内の萬松堂ではナツイチフェアに追われる店員さんも大変そうで、売上票に赤線入れたりなんだりしていたけれど、文庫NEWSはレジの奥に置かれたままで、わざわざこちらが「下さい」と頼まないと手に入らないようになっていて…これ、萬松堂の悪口じゃないんですよ。わたしが目にしたかぎり、それ以外の書店にはNEWSが置いてないんですよね。