文藝春秋10月刊 柚木麻子 あまからカルテット

- 作者: 柚木麻子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/10/01
- メディア: 単行本
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まあはじめに気になるのは淡いピンクが背景のカバー画。イラストは北沢平佑orPCP。公式ホームページはこちらに。わあ、きれいなイラストがいっぱいありますね、オール讀物の表紙の壁紙ってのもある。いままでこういうのって注目したこともなかった。
http://www.hypehopewonderland.com/
《ご連絡》のページにプロフィールが記してありますが、昔から見知っている絵のような気がしたが既視感だったのかな。
柚木麻子の第一短編集「終点のあの子」を購入した義理(って何だよ)で気になる作家という括りで購入しちゃいました、まあ読みやすかったですよ。「おせちでカルテット」4人の登場人物が大晦日の夜から正月の朝という限られた時間内に予定が狂いドラマが始り、テンヤワンヤで焦りまくる。グランドホテル形式がまあうまく決まって(大衆小説的な解決ばかりだが)大団円までサスペンスが持続し一冊の物語を巧みに締めくくってくれていたと思う。
著者と同世代の主人公たちということで、なんだかきちんと収まったみたいだからこれと同じ登場人物での連作は不可能かな─大衆作家の自覚があれば開き直っていい結果が出るかも知れんがたぶん難しい。当面は著者が年齢を重ねるごとに視野見聞みたいなものを拡張させ主人公を設定し、年齢相応で生活にくたびれ不人情になったり危険になったりを記してゆければ、でもやっぱり同世代だからこそ書けるだろうアトモスフィアを大切にすべきかな。若くしてプロ作家として作品を発表させるメリットを生かせてもらえていると、この作品集をみて「愛されるって大切な要素だね」と思いました。いやいや三島由紀夫も編集者から愛されていたんだから、きっとそれは最高の環境だと思います。
でもさ、タイトルいまひとつよろしくない。ビタースイートではなく、甘辛とはね。あと甘食とマドレーヌの相似、幻の幼なじみと院長夫人のモンスターペアレントの相違ってのはもう一つしっくりこなかったか、あとこれはお願いって感じだけど、こちらの登場人物を「終点のあの子」の学校出身の4人組にしてみせチラチラとあちらの出演者を回想シーンででも出したらいいのに。まあでも狙ってみなはれ、本格ミステリ。期待してます柚木先生。
