文藝春秋の新刊 2019 5 お茶碗©大高郁子

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文藝春秋の新刊2019,5

ちょっとこう柄の植物が平べったく感じる、盛り上がりの曲線を意識してるとなんか柄がくぼんで見えないか?でも落ち着いた杜若色の背景に癒され青磁の湯呑の薄くあやうい手触りがわたしに伝わり嬉しい緊張を与えてくれる。

今月も恒例で、20年来の過去の作品コレクションから食器の並ぶ3葉です。右「中国雑貨」2001,11中央「葡萄酒」2003,11左「翡翠色の小皿」2004,3。みな素敵ですよね作者のリビングとか食器棚の小物たちを、笑みを持って想像したくなる。

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過去作品より食器

5月の文藝春秋新刊、購入したのは千葉雅也「アメリカ紀行」。気鋭の哲学者ですが書籍を手にしたのはこのたびが初。文藝春秋から「勉強の哲学」を上梓してるが気付かずスルーしました。ドゥルーズ論とかで有名だけどフランスのポスト構造主義ちょっとずつ読みかじった過去はもうただ徒労だったわけで、だとすればわたしの無駄な時間を「実はこんなこと言ってたんだよ」と教えてほしい気もするけれど、たぶん納得せんだろうな、書店で眺めたかぎり平易で読みやすそうな内容に見えましたけど。

文藝春秋の新刊案内 2019 4 そらまめ©大高郁子

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文藝春秋の新刊2019,5

五月ですね、季節ものです「そらまめ」。こうね色っ気が茹でてこう皮がちょっとふやけ実の青が褪せた感じがすてきに表現され「食べごろ…」って感じられるきれいな一葉でした。新刊案内リーフレットでこんなふうにランダムでばらりと放らえた作品ってけっこうあったよう。ちょっとアルバムみてみればレンコンやナスや野菜シリーズも多くあり、またお菓子だのボタンだのってのも散見され、無秩序の美っていうような作者の感性?いやそうでなく、なんだかたわわっていうか豊穣なのかな溢れおちるほどの喜びを伝えたくなるのかしら。たくさんの中からサンプルを貼ります。

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ランダムでいくつか

妙に美味そうなアサリ(2012年5月)や動き出しそうで目の離せぬビー玉たち(1998年7月)、逆にこじんまりと無理やり指でまとめたアーモンドへのこまやかな偏愛みたいなものも感じたり(2009年4月)ランダムな諸々にもそれぞれ作者の美意識が感じられます。ソラマメといえば夏場所…ってか山口瞳のエッセイだかで下町のご婦人が夏場所みてきて茹でソラマメが美味かった話しかしないのが粋だななんてあったような。大型連休中に近郊の田んぼはほぼ田植えが終わり、農家によっては畦道にソラマメの苗を植える。それらが青い花を咲かすのはだからまだまだ先のこと、作物の走りや旬がこれから存分味わえ、とてもいい季節が続きます。

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購入した書籍は、坂本司著「おやつが好き」。近所の書店で島田雅彦「人類歳年長」を発見し損ね、大きな書店に行こうかと一瞬悩んだが花粉症のくしゃみが飛びでて妥協しちゃった。東京創元社関連で引きこもり探偵を一冊読んだきりだが、なんかひきこもりだからかとても横柄な言葉遣いでなぞ解きするのが堪えられず、読者を不快にしちゃいかんでしょとそれ以降のビブリオ知らない作者なんだが、まあこちらはエッセイだしと購入しました、未読です楽しい読書でしたらひとこと記そう…って奥泉光とっても楽しい読書だったのになにも記してないです、花粉症のせいです。

 

文藝春秋の新刊案内 2019 3 郵便貯金局@ウイーン©大高郁子

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* 文藝春秋の新刊 2019・3

ヤバい、郵便貯金会館と記していた…昨年12月のアム・シュタインホフ教会と同じく建築家オットー・ワーグナーの代表作だそうです。先月のチョコレートショップもウイーンの風景かもしれない、カフェ・ムゼウムもありました。ヨーロッパ行ってみたい願望が20代からけっこう強くあって、でもこの先のわたしの人生どうなることやらと少し弱気になってきてもいる。大体ひとりで行っても楽しくないだろうし、でも同行者があるならいまさらヨーロッパでなくてもいいかもしれないし…ってダメだな。

建築物「郵便貯金局」の見どころが分かるページを貼っておきます。機能主義、ウイーン分離派でオットー・ワーグナーはくくられて、建築の機能主義ってのはバウハウスなんでしょ?作者はゴテゴテゴシックみたいな建築でない方を押しているというか気にいっているのでしょう。

購入したのは久々のクワコー(桑原幸一たらちね国際大准教授)シリーズ「ゆるキャラの恐怖」。発売を知り、過去のクワコーあるだろと段ボール掘り出したけど2冊とも見つからず、カバー裏のビブリオ見たら2011年12年刊行だそうでなんだよ一昔だぜBookOffに持ってっちゃったんだな、でも自分のブログ読み返してなんだか「ああ、そんなんだったっけか」と納得しました。のっけで「こどもすくすく学科」の田所香苗准教授が出てきて嬉しい…っつうか冒頭でクワコーたらちね大に赴任し2年目の夏休みのお話と分かり、じゃああの変な登場人物みな出てくるんだ、じんじんどうなってんだろ…すいませんまだ冒頭数ページしか読んでません、読み終えたらきちんとレビュー記します。

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チョコレートショップの秘密 

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文藝春秋の新刊 2019年2月 チョコレートショップ

イラストからどういうカラクリの店なのかがまったく分からん、腑に落ちない。バラのチョコレートを平台にズドンと置いてそれが前後左右に並びまくってるのか?Googleの画像検索でちょっと似てるのみつけたけどダイナミックさはぜんぜん違ってるなあ。ブログ貼っておきます、z-niusさんの12年前の画像をご覧ください。

znius.exblog.jp

でもって大高郁子のイラストも欧州のお菓子屋だかアメ横みたいな場所なのか、ダイナミックさは八百屋とか乾物屋みたいですね。妹からバレンタインディにロイズオリジナルチョコレートをいただいたのだがなんかこう不味いんだよな、カカオ濃度の問題なのかブレンドしてないナチュラルカカオがいけないんだか分かんないが袋開けた時口に運んだ時に異臭というか旨味ではない違和感のある香りが来るのだな、ぬかみそっぽい匂いに似てるかな?ですのでこのショップ全体もちょっとにおいが気になったりするんじゃないかと邪推ですけど。

購入した書籍は山崎ナオコーラ「文豪お墓まいり記」。帯には“お散歩エッセイ”と謳われていて、そうね読書案内としてはあいまい過ぎるかと思ったけど、著者の心象もそこそこ出ていて楽しい読物ではありました。できれば最近死んだ作家専門でやってほしかったかな。

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文藝春秋の新刊 2019 1 遊ぼ 大高郁子

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文藝春秋の新刊 2019年1月 遊ぼ

大高郁子氏の愛猫。以前twitterで「スミコ」さんと呼んでた(すみっこ好きな臆病者の意?)仔猫がまあきちんと大人になったのか。わたしtwitterに最近あんまり行かないのでどんなやんちゃぶりかなど知らないが、ときどきこちらのリーフレットで記念写真みたいに仔猫の成長が見られます。

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猫との暮らし3葉

左から16年10月「キャラメルの瞳」翌17年10月「夜長」翌18年7月「七月のねこ」。お恥ずかしいことで16年以降のチラシに言及してない。今年はも少し頑張らなくちゃと思います。キャラメル色の瞳はふつう和猫種の竹色に戻り凛々しさに溢れてみえる。

文藝春秋の新刊 2018 12 アム・シュタインホフ教会 大高郁子

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アム・シュタインホフ教会

教会の 美しいステンドグラスの画像をたくさん載せているブログを載せます。

 

jun-gloriosa.cocolog-nifty.com

ステンドグラスを拡大すれば、上方は天使が聖ヴェロニカの聖骸布を向き合って広げている図だそうで中央には頬張ったイエスさまのお顔があるのですね。画像の右に垂れるシャンデリアの画像もブログでみれて“ヘー…”とちょっと嬉しいです。本年の12葉が揃ったのでずらり紹介したいのだけれど、まちょっとこちらの事情ですんませんしばらくレビューはお待ちください。

購入したのは宮藤官九郎の「ん!?」という週刊文春連載エッセイ(知らなかった)。購入したかったのは春日太一のこちらも週刊文春連載らしい(知らないぞ)「泥沼スクリーン」という映画コラムだったけど、紀伊國屋書店まで行ってみつけられず悔しい思いをした。「あまちゃん」ファンだしクドカンに興味はあるけど週刊文春連載っていえば向田邦子やらナンシー関やら土屋教授やら考えるヒットやら、あまた名人上手が揃っておりまして、まあ初めて読んだエッセイなんて言い訳しても仕方ないけど、ああやっぱりもすこしジュンク堂まで出向いて春日太一探せばよかったかな?

まこのさいついでに書中でも紹介されてるパンクバンド「グループ魂」もみてきはしたけど、これってパンク?くらいな感慨しか浮かばんのですけど。

 

www.youtube.com

文藝春秋の新刊 2018 9 カフェ・ムゼウム

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文藝春秋の新刊 11 2018 カフェ・ムゼウム

大高郁子文春リーフレットコレクションより。オーストリア・ウィーンにある実在のカフェ、天井から吊るされてるミラーボールもそのままの写実的な絵となっている。カフェ・ムゼウムに関する案内ページがありました。

カフェ・ムゼウム 天才たちの集まったコンサート・カフェ! | ウィーン観光&滞在を120%楽しむブログ

文春リーフレットの過去作品でも、国内外のカフェ・喫茶店を扱っているものはわりと多くあり、それらみな作者が感じたホッとした感がにじみ出る優しさ暖かさでこちらもちょっと嬉しくなります。

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カフェ画像幾つか

購入したのは滝沢志郎著「明治銀座異変」という、まあミステリーか。推理とか謎ときは書き割り程度の安直さで、自分とこのボスが幕末の志士ってのは結構だが、この小説みたいな“トートツさ”はないよな。主人公の新聞記者と事件担当の警部とがツーカーというか取り調べに割って入るとかで、それが旧藩での付き合いでって何だかなあ…みたいで読後感はよろしくない。あと文体もも少し工夫してほしい。岡本綺堂などをお手本にすればよろしかったのでは。

ヒロイン山川捨松に関してWEBで面白い記事をみつけた。終章ででてくる山川健次郎と新聞記者とは白虎隊の生き残りって設定なんだが、岩倉使節団の女子留学生選考は山川一族による出来レースだってんだが、それなり面白かったです。

hokanko.mond.jp